桃の節句の本日、混成合唱団のコンサートを、チャペルで聴かせていただきました。
アマチュアの老若男女の方々が、心を込めて、ひとつになってハーモニーを奏でられていました。
存じ上げなかったのですが、結成時からずっと指導をなさっていた指揮者の先生が、突然に御逝去されて間もないということでした。
1曲1曲、団員の皆さんの追悼の気持ちが、真っ直ぐに伝わってきました。
アヴェマリアを聴きながら、音楽そのものと会場の響きの美しさと、奏でる皆さんの想いの温かさに、自然に涙が出ました。
舞台上の合唱団員の方々も、客席も、多くの方が涙を拭っていました。
目が少し見え辛いのかなとお見受けする、高齢のアルトパートの御婦人は、1時間のコンサートを完璧に暗譜で、手に持った楽譜に目を落とすことなく、指揮を見つめて唄われていました。
武満徹氏の曲も含まれる、高いレベルのプログラム。
立って1時間歌うだけでも大変なことなのに、本当にすごい。
どれほど沢山の練習と、ご自宅での努力をされたことか。
恥ずかしながら正直に告白すると、開演前は、泣くほど感動するコンサートだろうとは思っていなかったのです。
恥ずかしいです。
どれだけ技術が巧みでも、それだけじゃないんだな。
心に響く、思いが届くということは。
小賢しい技巧を超えて、動くものがある。
だからこそ、音楽は、すごいんだな。
音楽の、一番初めの大前提を忘れて、高慢になっている自分に、気付くことができました。
心が洗われました。