森岡万貴(もりおかまき) 音楽家
世界でも珍しい「泗濱石琴・ビブラフォン弾き語り」のシンガーソングライター。歌手。パーカッショニスト。
レーベル『BLUE BEAR』を立ち上げ、アルバム4枚をリリース。
中国山東省で発見された二千五百年前の石材「泗濱石」を組み上げた、国内唯一の「泗濱石琴(しひんせっきん)」を弾き語るオリジナル活動を軸に、ライフワークであるバッハ、仏教伝統音楽「声明(しょうみょう)」研究を続け、独創的な音楽世界を展開している。
1975年、奈良県生まれ。東京芸術大学音楽学部器楽科打楽器専攻卒業。
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◇楽器製作者、劉宏軍先生による解説◇
泗濱石は、二千五百年前の孔子の時代にある石材であり、孔子が磬を演奏した事も知られています。また唐の詩人白楽天も、泗濱石と泗濱磬について有名な詩を書かれ、古文書にも泗濱石が泗濱の地で生まれる記載があります。
この泗濱石は1978年に中国の山東省で発見され、保存された石材で近年に泗濱石琴を作成しました。天平楽府の演奏会に用いる編磬(へんけい)も、この泗濱石で造られたものです。打楽器演奏家の森岡万貴さんは、前年の「宇宙船平和号」コンサートでこの楽器を奏で、来場者を魅了しました。
Vibraphone(ビブラフォン)とは、有音階打楽器の一種。マレット(ばち)を用い、鍵盤を弾いて(打って)音を奏でる楽器です。いわゆる鉄琴との主な違いは、鍵盤の下に共鳴管があることや、ペダルによってミュートのコントロールができることなど。
唐代に作られた中国の宮廷音楽のみに使用された有音階打楽器で、キラキラと輝くような透明な音色が特徴です。長方形の鉄板16枚を上下2段に木枠に並べ架け、鯨のひげの先につけた鹿の角の小さな玉を用いて音を出します。
正倉院には方響の一部と思われる9枚の鉄板が残されており、遣唐使の吉備真備(きびのまきび)が唐からの帰国の際に持ち帰ったとされています。奈良時代に日本に伝わり平安時代まで演奏されましたが、その後雅楽を構成する楽器としては用いられず今日に至っています。