死ぬまでに1度は、“自分の声だけ”だけでフルアルバムを創ってみたいと思っていました。
今回の作品は、数曲ハーモナイザーでオクターヴ下の男声を発生させた以外は、すべてアコースティックな自声と、その上に自然派生する倍音だけで成っています。
男声も、もともとの素材はわたしの声ですので、すべての音源が、わたし1人の声です。
※冒頭とエンディング(M1,M13)の低音ロングトーンは自声です。
※ハーモナイザー使用曲は、M4〜M6およびM12の始めのみ。
曲は、オリジナルとトラディショナル。テキストには、強力なマントラを使っています。
空間・音作り
サウンド作りは、まず、
「エジプトの大ピラミッドの『王の間』で声を出したら、どんな音がするだろうか?」
と想像することからスタートしました。
密度の高い硬鉱石で囲まれた、そう広くない部屋。天井はとても高く、頭上には反射板(岩)が5層。
音が反射するスピードは、非常に速い。あらゆる方向から跳ね返ってくる倍音がよく聴き取れるよう試行錯誤しながら、エンジニアと一緒に響きを創っていきました。
地道な作業
レコーディング作業は忍耐の要る地道なものでした。3オクターヴの声域をフルに使った百回近い重ね録りと、根気の要るミックス作業の末、半年かけてやっと完成することができました。
ピッチ修正は、していません。
ダブリングも、すべてアコースティックです。
不思議な音楽
音楽として、ショップのBGMとして、どのようなシチュエーションでどんな風に聴いていただいても良いと思います。
活発な運動時よりも、リラクゼーションやヨガ、お休み前のBGMなどに適しているかも知れません。
スピーカーで流しても良いですし、瞑想用として使うのであればヘッドホンを活用すると、より強力な瞑想ツールとなります。
アルバムトータルで深い瞑想の助けとなるように、曲間やパンポット(定位)ひとつひとつに至るまで妥協せず、1/100秒単位までこだわって設計をしました。
トータルで55分弱のアルバムですが、オーディオを1disc リピートに設定すれば、どこまでも螺旋状に上昇しながら、エンドレスで聴いていただけるように考えてあります。
静寂の空間
アルバムの最後には、静寂の空間が用意されています。目覚ましのリフレインによって現実世界に帰還するまでのおよそ5分間、安心してあなただけの心の旅を楽しんでください。
そこで訪れるものが、ビジョンであれ、啓示であれ、軽いショックであれ、あるいはこれまで経験したことのないような快感や深い安堵感、癒しであれ、はたまたぐっすりと眠り込んでいたのであれ、、、
何であったとしても、それは今、この瞬間のあなたにとって必要な、あなただけの体験です。
そしてそれは、2012年以降加速していく、地球規模の輝かしい変容にとっても、必要不可欠なものなのです。
難しいことは抜きにして、どうぞごゆっくり、おくつろぎください。
2011年12月
森岡万貴
森羅万象
8曲目「般若心経(HEART SUTRA)」のテンポ設定について